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ワセリン依存症


アトピー性皮膚炎の保湿にワセリン(鉱物油)がよく用いられます。


短期間であれば、皮膚の保護に最適なのですが、長く使っているとワセリンによる

保湿環境に慣らされてしまい「皮膚が硬くなる、皮脂の分泌が悪い、汗がでない、

落屑を繰り返す」など本来皮膚が持っている自分の力で潤うという皮脂腺や汗腺の生理

機能が著しく低下します。


その結果、一年中ワセリンが手放せない依存症の状態に陥ってしまうのです。


幼児の頃から全身にワセリンを使っていると皮膚の保湿機能が育たないので、

本来アトピーの好発部位ではないところ、「お腹や背中なども乾燥がひどくなり掻きむしって朝起きたら血がにじんでいた」ということがあります。


またワセリンが肌着ににじみ込んで、「洗濯してもベタベタが残り気持ち悪い」という声もよく聞きます。


下着にワセリンが残るように、皮膚にも蓄積され正常な新陳代謝を妨げ、約28日のターンオーバーサイクルが崩れます。


本来、垢となって剥がれ落ちるはずの角質がワセリンによって塗り込められ、硬い厚い象の皮のようになってしまいます。そのような皮膚を本来の柔らかい皮膚に回復させるには、生理機能を高め、正しい保湿と保護が必要です。