身近に潜む農薬
近テレビで、一回パフッとすると、<24時間蚊が寄り付かない>という殺虫剤のCMを見かけゾッとしました。
かわいい容器の殺虫剤をポンと押すと部屋の中に、薬効成分がただよい蚊が死んでしまうので、快適ですという内容です。
このCMを観て、殺虫剤が農薬だと思う人はどれだけいるのでしょう。
虫や微生物を殺し、土や水を汚染し、地球の自然とヒトを蝕んでいく<農薬>をこんなに気軽に使っていいものなのでしょうか?
これから梅雨を迎え、ゴキブリ・ハエ・蚊・ダニ・カビが繁殖し、家庭内では、殺虫剤、衣類の防虫剤、防ダニ剤がたくさん消費される季節です。
<家庭内の農薬なんて、我が家にはないわ>と思っていませんか?
家の中をチエックしてみましょう。
家庭内で使われる農薬の有効成分とその影響
家庭内で使われている農薬の有効成分を、次のように分けてみました。
1 ピレスロイド系殺虫剤
2 有機リン系殺虫剤
3 その他(パラジクロールベンゼンなど)
今回は1のピレスロイド系殺虫剤についてお話します。
一般家庭でなじみのある製品には、ピレスロイド系が多く使われています。
◎蚊取り線香
◎ダニ系(パウダー・スプレー)
◎ゴキブリ系(スプレー・薫煙剤・微粒剤)
◎防虫(シート・タブレット)
ピレスロイド系で例えばベルメトリンという成分は、ダニやアリ、ゴキブリ用として使われます。昆虫には神経毒性として作用し、人間の場合は悪心、嘔吐、下 痢、頭痛、眠くなる、耳鳴り、免疫力の低下、催奇形性、などの症状が出るなど、アメリカでは発ガン性の疑いも強いとしています。また、富山医科大学の研究 では、「胎児の脳と器官をつなぐ神経の働きを阻害する」ということがわかっています。
防虫、抗菌処理加工をした掃除機の紙パックにも、殺虫剤として、ピレスロイド系ベルメトリン、などの農薬が多く使われています。掃除機の排気口から暖かい空 気が出ますが、その空気には、紙パックに染み込ませた農薬が含まれていますので、知らないうちに室内に撒き散らされているのです。
大阪大学の植村振作先生の調査では、防虫・抗菌処理加工をした紙パックを使った掃除機をかけると、なんとヘリコプターで農薬を空中散布するのと同じくらい、室内の空気が汚染されるというデータが出ています。
同じく、ピレスロイド系のアレスリンやフラメトリンという成分は蚊取り線香に使われています。農薬と着色料からできている蚊取り線香で、蚊を退治しても家族の体調がすぐれないということになったら怖いことと思いませんか。
清潔志向やアレルギー防止のためにと使う、防虫、防ダニ剤や抗菌仕様のさまざまな製品、掃除機、蚊取り線香で免疫力の低下を招き、カゼをひきやすかったり、生理不順などのホルモン異常など健康を害することになれば大変なことです。