睡眠不足 イメージ

睡眠時間が減少すると、比例してアトピーが悪くなる…こんな経験はありませんか?

太古の昔からヒトは、日が昇ると目が覚め、日が沈むと自然に眠くなる。という繰り返しで暮らしてきました。ヒトの身体は、昼間活動し交感神経は活発になり ますが、夜は副交感神経が優位になり、疲れた身体を休め、傷んだ細胞を修復し翌朝は元気に目覚めるようにできています。睡眠時間のなかで、「午後十時~午 前二時の4時間はゴールデンタイム」といわれるほど大切な時間で、「この時間をぐっすり眠れないと翌日の痒みが倍増する」というデータもあるくらいです。

体内をリセットするこの時間は、神経も内臓も筋肉も休ませなければいけません。夜中に脂っこいラーメンを食べると、多くの方は胃もたれするでしょう。昼間のように代謝も活発ではありませんので、すぐに太ってしまいます。


同じように、アトピーの肌は、この時間に熟睡できていないと掻き壊した皮膚を修復できないまま、朝を迎えてしまい、その繰り返しで、回復どころか日に日に 傷がふえてしまう悪循環に陥ってしまうのです。1週間、睡眠導入剤を服用して強制的に眠り驚異的に痒みが減った例もあります。眠りたくても眠れない…アトピーの不眠は痒みによるストレスが原因です。今日は、「すぐ実行できる眠るためのヒント」を集めてみました。

マグネシウムは足りていますか?

マグネシウムは、痒みによる精神不安定にがんゆう効果があります。イライラする人に「カルシウムが不足しているのでは…」と言ったりしますが、カルシウムと同じようにマグネシウムも脳神経系を鎮静化するのでよけいに掻くことが少なくなります。マグネシウムは、海藻類・種実類・豆類に多く含まれています。

マグネシウムの吸収をアップさせる栄養素としては、バナナに多いビタミンB6とビフィズス菌やオリゴ糖があげられます。牛乳と比べアレルギーをおこしにくいチーズやヨーグルトでビフィズス菌を補います。


朝ごはんに焼のりに納豆で納豆巻き・バナナにヨーグルトをかけ、ゴマをトッピンクという具合です。


マグネシウムは多くの食品に含まれていますので、手作りの食事をしていれば不足することはないのですが、ファーストフードやインスタント食品・加工食品な どの「便利な食事」は、加工段階で食品添加物を使用するので、マグネシウム・カルシウムなどのミネラルやヒトの身体に必要なビタミン類を体外へ排泄してしまうのです。


この食品添加物に含まれるリン酸塩は、栄養素をバランス良く摂取しても吸収を妨げてしまうので、「便利な食事」が続かないように気をつけて下さい。マグネシウムの食事での摂取基準はカルシウム2に対しマグネシウム1です。1日量は、600㎎:300㎎になります。


マグネシウムは、ひとつの食品で摂ろうとすると大変です。例えばホウレン草の葉っぱ部分で1日分を摂ろうとすると430g必要です。豚や鶏肉では、約1㎏、とても食べきれる量ではありません。とび抜けて含有が高いのは、乾燥アオサで100gあたり3200㎎もあり、アオサ10gで1日分のマグネシウムが補える計算になります。その他は、乾燥大豆100gあたり250㎎。干しエビは100gあたり500㎎。


マグネシウムを強化するには、肉より小魚・小魚よりエビ・カニ・イカ、ラーメンよりうどん・うどんよりそば、人参よりオクラ・オクラより切干大根や干しわらび、もずくより海苔・海苔よりアオサ、クルミよりゴマ・ゴマより煎ったかぼちゃの種。ストレスに強い身体と安眠のため、毎日マグネシウムの多い食事を心 がけましょう。

カフェインを摂ると眠れなくなる

 「カフェインを摂ると眠れなくなる」これはどなたもご存じのことですが、カフェインを含むコーヒーには、痒くなる成分があります。同じようにカフェインを 含んでいても玉露や抹茶は、眠れなくなりますが特に痒くなるわけではありません。コーラは、カフェイン量は多くないのですが、糖分で痒くて眠れなくなりま す。

学校や職場でついつい飲んでしまう缶コーヒーですが、インスタントコーヒーの2倍のカフェインが含まれています。カフェインに敏感な体質の場合、昼のコーヒーでもカフェインの覚醒作用で夜間の睡眠を妨げることがあります。


ココアにはカフェインと脳を興奮させるテオブロミンという物質が含まれていますので、栄養ドリンクと同様にココアにも覚醒作用があります。覚醒作用という点では、チョコレートも同じです。

睡眠ホルモンのメラトニンは強い光の下では分泌されない

 睡眠は照明の影響を強く受けます。これは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌とかかわっています。たとえ、まぶたを閉じていても、光は目の中に入ってきますから、その光は視床下部に到達しすぐ近くの松果体に伝わります。

松果体はメラトニンを分泌するところで、光の情報が伝わると朝が来たと判断して、メラトニンの分泌をストップさせます。夜は照明を下げる工夫が必要です。部屋の照明は、蛍光灯よりも白熱灯、暖色系の柔らかい色でリラックスして過ごしましょう。


テレビやパソコン・スマホの画面を光らせるために使われているのが「LEDライト」ですが、そのLEDライトが放つ「ブルーライト」は睡眠のリズムを狂わせてしまいます。それは、ブルーライトは朝日の光に似ているので、身体はブルーライトを感じると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌をストップさせるからです。


LEDライトは省エネということで、最近は、蛍光灯からLEDシーリングライトに変える方も増えています。パソコン画面の光もLEDライトが使用されているので、ブルーライトを浴びているのです。


パソコンはスマホよりも画面が大きい分、放たれる光の量も多いので影響も大きくでやすいのです。スマホは画面が小さいので文字を見る時、凝視してしまいますからブルーライトの影響と眼の疲れのダブルで脳は興奮し、眠りは浅くなり熟睡できなくなります。せめて、寝る前の2時間は、テレビ・パソコン・スマホ・照明の質によっては睡眠が障害されるのです。メラトニンを含む食べ物は、レタス・バナナ・クルミなどです。そういえば絵本に「ピーターラビットがレタス畑でレタスを食べ過ぎて眠ってしまう」というシーンがありましたね。


メラトニンが分泌されると人は眠くなります。それは、メラトニンには体温を下げる働きがあるからです。メラトニンが分泌されると末梢血管が広がり、体内の熱が外に放出されます。その結果、体温が下がって眠くなるのです。


このように夜は、睡眠にそなえて照明は落とす方がよいのです。


部屋全体の照明も落とし、できれば蛍光灯よりも白熱灯に切り替えて、うす暗い中でリラックスして過ごしましょう。そうしているうちに、うす暗さに反応し て、松果体からメラトニンが多く分泌されてきます。このときに眠気が現れるので、自然に深い眠りへと入っていくことが出来ます。