免疫ビタミンLPS

「免疫ビタミン」は、正式名称を「リポポリサッカライド」といいます。

略して「LPS」と呼ばれています。「LPS」が免疫細胞群のマクロファージに働きかけて私たちの健康を左右する〝要〟になります。昨年くらいからテレビや雑誌でも取り上げられるようになり大きな注目を集めています。

免疫の大切なしくみ

そもそも免疫システムを担っているのは血液中の白血球です。

白血球の中に、顆粒球・単球・リンパ球という細胞があります。ヒトが生まれた時からもっていて、「自然免疫」といいます。リンパ球のなかにはT細胞・B細胞があり自然免疫だけでは処理しきれなかった病原体の特徴を記憶し、有効な抗体を作り出して攻撃してくれます。この細胞を「獲得免疫」といいます。

 

生まれた時から備わっている「自然免疫」と後天的に身につく「獲得免疫」の二つの免疫で私たちの身体は守られています。

アトピー性皮膚炎は、「獲得免疫のバランスの崩れ」が原因といわれています。

「獲得免疫」をコントロールするのは、「自然免疫」であり、その司令塔は「マクロファージ」ですから「LPS」で活性化させ、崩れたバランスを整えることが大切なのです。

 

 

強い味方マクロファージ

免疫強化に最も重要なのが「マクロファージ」で、体内に侵入してきた細菌へ攻撃を命じるのも、T細胞やB細胞に情報を伝え抗体を作らせるのも「マクロファージ」なのです。

「マクロファージ」は別名を貪食細胞といい、なんでもパクパクと食べてしまいます。「マクロ=大きい」「ファージ=食べる」ということです。

外から侵入したウイルスや細菌、毎日5000個も発生すると言われているガン細胞、食事で摂った酸化した脂質やタンパク質、体内のゴミと呼ばれる不必要なもの全てを食べてお掃除をしてくれるのです。アルツハイマー病も脳内でアミロイドβタンパク質が凝集し神経細胞が死滅するという説がありますが、このタンパク質のゴミもマクロファージは食べてくれるのです。

イメージとしては、風邪をひいた時に1個のマクロファージが1個のウイルスを食べていたのが、2個も3個もあるいは、それ以上も食べてしまうということです。風邪がすぐ治るヒトと一週間も長引くヒトの違いと思って下さい。

マクロファージの元気のもとLPS

私たちの身体を守ってくれる「マクロファージ」を元気にする物質が「LPS」なのですが、いったい何に含まれているのでしょうか。「LPS」は、グラム陰性菌の細胞表皮にある物質で根菜類や穀物に多く存在するパントエア菌に由来し、主に土壌に含まれる細菌の一部ですから、土で育つ根菜類に多く含まれます。根菜で一番「LPS」が多いのは「蓮根」です。大事なことは、皮をむかないで調理することと、180℃以上の加熱はNGの二つです。特に農薬や化学肥料を使わない自然農法や有機栽培で育てられたものは、「LPS」の含有量は多いはずです。アスファルト道路の都会に比べ、田んぼや畑、森林など土があるところは空気中にも「LPS」の浮遊があり呼吸するだけで沢山のLPSを摂取できます。森林浴の効果のひとつですね。以前アメリカの研究で免疫系の病気、例えばアトピーなどを発症させないための対策のひとつとして、生まれて1才までに動物園デビューが有効という記事を書きましたが、これも「LPS」によるところが多いのです。「マクロファージ」を活性化する物質には、きのこのβグルカンやヨーグルトなどの乳酸菌がありますが、「LPS」のマクロファージ活性化力は100~1万倍も強いことは研究で明らかになっています。「LPS」は微量で健康維持に役立ってくれるのです。毎日の食事に「LPS」を意識しましょう。

おすすめの食材

れんこん、ごぼう、じゃがいも、人参、長芋、かぶ、大根、さつまいも、生姜、ひらたけ、椎茸、舞茸、金芽米、玄米、全粒紛、発酵ライ麦、ふすま粉

(参考資料 免疫ビタミンのすごい力)