パンが痒みのもと?たったひとつの食材を抜くだけで痒みの軽減、肌をキレイに・・・

 今日は、グルテン不耐症のお話です
最近、グルテンフリーとか、グルテン不耐症とか良く耳にするようになりました。グルテンとは、小麦に含まれているタンパク質で、小麦粉に水を加えて練るとネバネバしますね。それがグルテンです。グルテン不耐症(グルテン過敏症)とは、このグルテンの中に含まれるグリアジンという主要成分に過敏に反応して身体に症状が現れるものですが、近年とくに増えてきました。

「日本人は昔からうどんを食べてきたのに、小麦粉で病気になるなんてありえなーい」そんな声が聞こえてきそうですが、その原因は、風雨や病気に強い品種改良によって生産性は古代小麦に比べ10倍になりましたが、グルテンの量も40倍になりました。グルメブームにのって20年くらい前からラーメン屋やパスタのお店が増え、手の届くところにいつでもピザやケーキ、クッキーにスナック菓子があり、小麦の摂取が増えたことと、加工食品が増え、野菜を摂りにくい食生活の変化によって身体の栄養状態が悪くなり、アレルギーなどが増えてきたことにあると思います。

昔の日本人にとって小麦はそんなに多く摂るものではなかったので、グルテンへの感受性はさほど高くなかったと思います。ところが、最近ではグルテンによる問題がとても増えているのです。
さて、ではこのグルテン過敏症の人は身体にどんな症状が出るのでしょう?
・逆流性食道炎
・慢性疲労
・腹痛
・下痢
・便秘
・膨満感
・吐き気
・悪臭便
・オナラが臭い
・お腹のゴロゴロ
・就寝時の手足の痙攣
・手足のしびれ・痛み
・貧血
・口内炎
・じんましん
・抜け毛
・ビタミン・ミネラル欠乏
・原因不明の体重減少
これらほとんどが、身体がグルテンの中のグリアジンというタンパク質に過敏に反応すると、腸内で異常発酵したガスが原因で炎症が起こるといわれます。
ちなみに最初にあげられていた「逆流性食道炎」に関して言うと、グルテン不耐症の多くのヒトが逆流性食道炎を合併するとも言われています。
下痢は男性に多く、便秘は女性に多い傾向です。また、ウンチが固く便秘だと思って排便していたら、最後は下痢になるというヒトもいます。

グルテンが引き起こす疾患に「セリアック病」があります。
グルテン不耐症より重い症状で死に至ることもあります。
免疫システムが誤って自らの組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」のひとつです。セリアック病は、小腸の損傷が原因で起こります。
グルテンが分解されないまま体内に入り込むと、身体はそれを異物と認識してしまい腸の免疫システムが誤って働き、自己組織である小腸の絨毛を攻撃してしまうのです。
腸が炎症を起こすのですから、小腸の内側の壁が腫れてきて腹部膨満感の原因となります。絨毛は、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガン、ビタミンB群、ビタミンCなどの大事な栄養を吸収する場所でもあるので、グルテンによって絨毛が炎症を起こしていたら、ビタミンやミネラルの吸収障害が起こることも想像できますね。セリアック病の症状のひとつに原因不明の体重の減少がありますが、糖さえも吸収できなくなってしまうのです。
アトピーの痒みの軽減や肌の再生にと、毎日ビタミンB群を含む食事に気を付けてもグルテンで腸に小さな穴があき、絨毛が損傷してビタミンやミネラルを吸収できなかったら症状の改善は遠くなります。
また腸での異常発酵により小腸でのカンジタなどの真菌全てを含む細菌類が過剰増殖しますので、菌によって痒みが増幅するタイプのヒトは気を付けなければいけません。お米にはこのような悪さをする成分はありませんので、朝のパンをご飯とみそ汁に代えてみませんか。
次回はグルテンに関しての食事療法です。

グルテン不耐症と小麦(グルテン)アレルギーとの違い

 小麦アレルギー
即時型アレルギーでアナフィラキシーを起こすこともある。食べてすぐに出ます。気管や食道が腫れて狭くなるので、苦しくなったり喉に引っかかるような違和感があります。

小麦(グルテンを含む)に対して作られた免疫グロブリン(IgE)に、白血球中の好塩基球、肥満細胞が反応して放出するヒスタミンによる症状。IgE検査をします。

グルテン不耐症
遅延型アレルギーで即時型のように食べた瞬間に反応する事はありません。

小麦類に含まれるグルテンの分解ができず、身体がそれを異物と認識し、腸管免疫システムが過剰に働くことで、腸の絨毛を攻撃、慢性的な炎症が起こります。IgG検査でわかりますが、国内ではIgG検査は保険適用外ですので、検査をしてくれる病院が限られています。

家庭でできる方法としては、小麦を抜いた食事でテストして下さい。
これは2週間小麦を材料にした食材や加工食品を食べない。完全に抜きます。その時にいつも感じている症状や不調・便の状態などに変化があるかチェックする方法です。不耐症のヒトは小麦を抜くと気分が晴れやかになり、肩コリ・頭痛・便秘や下痢が改善されます。
そして2週間後に、100%小麦でできたパンや、うどんなどを毎日食べます。


この時、気分がすぐれないなどの違和感があったり、もとの症状に戻ったら不耐症ということです。
ここで、現れる症状には、「食後2時間以内の腹部膨満感、貧血、慢性的な下痢、慢性的な疲労感、便の悪臭、気分の落ち込み、気分低下、体力の低下、情緒不安、集中力の低下、記憶力の低下、血糖の上下動(特に低血糖)、急激な体重増減、関節痛、傷が治りにくい、乾燥肌、不眠、じんましん・・・etc」があります。
さて、こういったチェック方法を行い、自分がかなりグルテン反応しているとわかったらまず何をしていけば良いでしょう?

もちろん一番勧められるのは、小麦を除去する食事です。
ただ、これには注意点があります。
現在、日本ではグルテンをつなぎに使っている食品が本当に多いので、もし完全除去食を行うとするとかなりのストレスになることは目に見えています。
私自身、グルテンフリーの生活をしているので、この苦労は本当によくわかります。
もちろん、小麦グルテンによってかなりの症状が出ている場合は、完全に除去食をとった方が良いですが、程度によっては無理をしないようにできる範囲でやる方が良い場合もあります。
それは、いままで食べてきた食事を180度変えることが、人によっては非常にストレスになるからです。特に小麦が溢れている現代の日本では。
こういったストレスは、いままで勉強してきたように副腎に負担になりますよね。副腎は炎症を抑える大事な仕事をしているので、副腎に負担がかかるのはなるべく避けなければなりません。
なので、こういったグルテンに関しての食事療法は、綿密なカウンセリングを行いながらやっていくのがベストでしょう。

その他、グルテンを消化できないことがグルテン不耐症の原因になっているので、塩酸ベタインや消化酵素などをサプリメントで摂ってもらうことも大きな助けになります。
食べ物では、キウイに含まれるアクチニジンやパイナップルに含まれるブロメライン、パパイヤのパパインなどは強力なタンパク質分解酵素なので、こういった果物が問題のない方だったら、食後摂ることでグルテンの分解をサポートしてくれるでしょう。
その他、腸の絨毛を修復していく栄養素で、メチオニン、システイン、ロイシンなどのアミノ酸、マグネシウム、ビタミンB6、グルタチオンなども効果ありです。

いかがでしたでしょうか?
小麦のグルテンや牛乳に含まれるカゼインなどは、分解されるとモルヒネ様の物質が作られるとも言われています。これが脳内のアヘン受容体を刺激して、「注意散漫、落ち着きがない」などの症状が出ることもあります。
これらのタンパク質をしっかり消化できない子供などは、自閉症やADHDにつながることも多いので、十分注意が必要ですね。

みなさんの身近にある小麦粉。
それがこんなに身体に影響を及ぼすことがあるということ、是非覚えておいてください。

グルテン過敏症、グルテン不耐症の症状

 身体がグリアジンというタンパク質に過敏に反応すると、腸にガスが溜まりやすくなり、腸での炎症を起こす原因になっているといわれます。 上記のグルテンが含まれる食材を食べるとすぐにガスを出したくなったり、お腹が緩くなって、トイレに行く回数が増える人は、グルテン過敏症予備軍、または、すでにグルテン過敏症の可能性があります。

グルテンが含まれる食材: 小麦粉、パン、ホットケーキ、パスタ、ピザ、シリアル、ケーキ、クッキーラーメン、うどん、そーめん、麩、餃子の皮、スポンジケーキ、グルテンを含む食用でんぷん、セモリナ(デュラム小麦粉)、マカロニ、スパゲティ、クスクス、モルト(麦芽)、ある種の酢、醤油、香味料、人工着色剤、アミノ酸液(植物タンパク質加水分解物)

グルテンが含まれない食材: 米、そば粉、葛粉、大豆、とうもろこし、果物、野菜、豆類、ゴマ、タピオカ、肉、鶏肉、魚、貝類、テフ、ナッツ、卵、蜂蜜、メープルシロップポテト、米パンなど。